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新潟県の農業事情を調べてみた その6




このシリーズはちょっと難解なお話が続いたので、今日は身近なところからお話していこうと思います。

もしかしたら今回の記事は、お米の需要喚起のヒントになるのでは?
と勝手に考えています。
・・・最後に申し上げますが鍵になるかなと思って描いたのが冒頭のイラストメッセージです。


今日使用するデータは下記になります。
農林水産省 食料需給表 確報 品目別累年表
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500300&tstat=000001017950&cycle=8&tclass1=000001032890&tclass2=000001151387&cycle_facet=cycle&tclass3val=0

農林水産省 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 令和3年2月
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/beikoku_sisin/


身近な話題というのは、一日当たりの食事から年間のお米の消費量を算出したら何か見えるか?というものです。
まず、私、きたゆき は以下のような食事をしております。



平日は基本的に3食ご飯
休日の昼にパン、あるいは禁断症状により、こってり背油ラーメン。
これを計算すると、1年間に93㎏程度、お米(炊飯前の重さ)を食べているようです。
後述のグラフでみると自分意外とお米の消費に貢献していたっぽいです。


一方、農林水産省のデータによると、
日本人一人当たりの「令和元年~2年」の需要実績は、
一人当たり56.6㎏と計算されるそうです。



これを きたゆき の時と同様に計算し、
茶碗一杯100gのお米として私の独断と偏見により割り振ります。上のイラストでも示しているように、

朝食:毎日パン
平日の昼食:ご飯と麺類のローテーション

という風に仮定するとピッタリと計算が合いました。

如何でしょうか?
私もひと昔前までは身に覚えのある献立表(?)みたいになりましたが・・・


この仮定がもし当たらずとも遠からずとすれば、
朝ごはんにお米を選択する余地のある人が実は沢山いるので、そこが狙い目かと思ったわけです。
朝ごはん抜いている方もいらっしゃるでしょうか?

お米の需要喚起を促すには、例えば「朝はご飯で今日も元気に」キャンペーンを
テレビ等で広報してみたら良いのではと思いました。

テレビの食レポでスイーツの内容をよく目にするようになって、
「スイーツ」という言葉(文化??)が定着したような所から見てもテレビの宣伝効果というのは大きいと思うわけです。

有名な俳優さんで家族の朝のひと時を演出し、みんながご飯を食べて行ってきまーす!!とか、
朝、ご飯を食べると健康に良いとか、やりようは如何様にもあるように思います。
※もしかすると海の向こうの某小麦勢力や、トウモロコシ勢力から横槍が入るかもしれませんが・・・


最後に、農林水産省の冒頭で述べたデータをグラフ化したものを示します。

「お米の需要実績、各年、年間、一人当たり」


需要量としては下降の一途のようです。
ご参考になりましたら幸いです。

  

2021年04月26日 Posted by きたゆき at 19:51Comments(0)データで分析 新潟県

新潟県の農業事情を調べてみた その5

前回の記事
きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた その4
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491553.html



今回は平成元年~平成10年に注目します。
(生産農業所得の顕著な低下が始まった付近)

グラフは以下のデータを参考にしています。
★農林水産省
・新潟県の生産農業所得
・新潟県の米の収穫量
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500206&tstat=000001015617&cycle=0&year=20180&month=0&tclass1=000001034290&tclass2=000001052259

★総務省
・全国の米類の消費者物価指数
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200573&tstat=000001084976&cycle=0&tclass1=000001085995&tclass2=000001085936&tclass3=000001085996&tclass4=000001085997&tclass5val=0




上記の矢印範囲を拡大したグラフを次に示します。

拡大したグラフに橙色で作況指数も記載します。
(以下を確認してみたいという個人的な興味からの参考値としました)
・収穫量と作況に相関性があるか
・その年の作況を確認する意図

表中カッコ無:全国の作柄 作況指数
参照元:農林水産省「作況指数、10a当たり収量及び一等米比率の推移」
https://www.maff.go.jp/j/study/suito_sakugara/h29_2/attach/pdf/index-10.pdf

表中カッコ付:新潟の作柄 作況指数
参照元:北陸農政局 「平成の米 新潟県」
https://www.maff.go.jp/hokuriku/stat/data/heiseikome/niigata.html



グラフから見て気になる部分として・・・

・①の平成5年の記録的な冷害の時の新潟県の生産農業所得:1,803[億円]
・③~⑥平成7年以降の生産農業所得で①平成5年を上回った年が無い
・③~⑥平成7年以降の作柄 作況指数はいずれも①の平成5年を上回っている
・米類の消費者物価指数は平成6年から減少傾向が続く
・お米の収穫量は平成6年から全体としては減少傾向


結論
お米の出来、不出来に関わらず収穫量、米類の物価指数、生産農業所得は平成6年をピークに低下傾向である。

このような結論から、以前からの結論と同様、生産農業所得の減少にはお米の収穫量と価格(物価指数)の低下が支配的だと推定されます。
平成5年の冷害の時のよりも平成7年以降の生産農業所得が軒並み低いといのもちょっと意外な結果でした。


平成5年~現在付近の分析については下記の記事で記載しましたので、恐れ入りますがそちらをご参照頂ければと思います。

きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491443.html


リンク先の記事でも話題に挙げましたが、お米の価格が平成6年をピークに減少傾向が見られます。

ちょっと中途半端な感じもしますが、今回はこの辺までとさせていただければと思います。

次回からは、お米の生産量の決め方等のお話ができればと考えています。

  

2021年04月19日 Posted by きたゆき at 20:19Comments(0)データで分析 新潟県

三島億二郎日記をよんでみた その2



三島億二郎日記を読んでみた、の二回目です。

今回は
明治19年3月10日 (第二回北遊記の2)
からご紹介致します。

当時の日本の鉱山産業の実態と(前半部)、
当時の不景気の要因分析に対する所感(後半部)が書かれています。

無い頭で漢和辞典を片手に読んでみました。
およそ以下のような内容でした。

前半部
---------------------------------------------------

★石炭産地の主な場所(カッコ)は現在のおおよその地名

 〇九州
  -三池(熊本県大牟田周辺)
  -高島(長崎県高島町)
  -筑前(福岡県)
  -多久(佐賀県多久市)
  -唐津(佐賀県唐津市)
  -今福(長崎県松浦市付近)
 〇羽後
  -油戸(山形県鶴岡市)
 〇北海道
  -幌内
 〇中国
  -長門・船木(山口県宇部市)
 〇南海・四国
  -小豆島
 〇東国
  -磐城(福島県)
  -茨城(茨城県)

坑業の進捗や産出量の増加は年々見張るものがある。
明治16年の産出高は907539ton 2,623,570円
この内海外輸出は 389541ton 1,357,935円

★銅産地の主な場所
 〇下野足尾 (栃木県足尾)
 〇伊予別子 (愛媛県新居浜市)
 〇越後草倉 (新潟県阿賀町)
 〇羽後阿仁 (秋田県秋田市)

これらに次ぐもの
 〇越前面谷 (福井県大野市)
 〇飛騨神岡 (岐阜県飛騨市)
 〇大和・玄里(奈良県??町)
 〇陸中尾去沢(秋田県鹿角市)
 〇美作瀬戸 (岡山県美作)
 〇長門蔵目喜(山口県山口市)
 〇備中吉岡 (岡山県高梁市)
    帯江 (岡山県倉敷市)
 〇羽後荒川 (秋田県大仙市)
    卒田 (秋田県??町)
 〇加賀尾小屋(石川県小松市)
 
明治16年算出 1176999千斤(1斤≒600g) 736,076円

★銀産地の主な場所
 〇岩城半田 (福島県国見町)
 〇佐渡相川 (官坑)
 〇飛騨上岡 (岐阜県飛騨市)
 〇但島生野 (兵庫県朝来市)(官坑)
 〇羽後院内 (秋田県湯沢市)
 〇陸中軽井沢(福島県河沼郡柳津町)
 〇播磨大立 (兵庫県養父市)

明治16年算出 4383貫881目 928,119円

輸出760,046円 輸入2,352,511円 輸入超159万余
------------------------------------------------------
前半部以上

改めて日本って全国各地に鉱山資源があったんだなというのが新鮮な感覚です。
地名とか見てますと、〇〇財閥とか〇〇製作所とかにつながるものも見られます。

当時の鉱山資源の輸出内訳みたいなものがないのかさがしてみたところ、
経済産業省のHPにこんなものがあったのでご紹介します。

経済産業省
統計>本邦鉱業のすう勢調査>本邦鉱業アーカイブス
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/honpouko/tokei.html

この三島億二郎日記が書かれたころより十年以上後のデータなのでそのものズバリではないですが、
なんとなく雰囲気が感じられればと思います。


引用データは以下の通りです。
「明治三十九年 本邦 鑛業ノ趨勢」
「-第四章 鑛産物の輸出入」の内、明治36年と記載のあるデータ






明治36年の輸出額の内訳を見てみると石炭と熱銅が主力の輸出品だったことが分かります。


次に、世界での石炭及び銅の産出量を示します。
「明治三十九年 本邦 鑛業ノ趨勢」
第三章より、明治36年と記載のあるデータ











このデータは「ミ子ラルインダストリーより摘載す」とありますので、当時の人が、
資料を抜粋して作成したものだと思います。

石炭については北米、イギリス、ドイツがぶっちぎりですが、日本が8番目に記載されています。
本資料にも「本邦ハ實ニ第八位ヲ占ム」と記載があります。

銅については北米がぶっちぎりですが、意外にも日本が上位にいます。
銅山と言えば栃木県の足尾銅山が有名ですが・・・


ちなみに下記のような資料もあり・・・

幕末、明治初期における石炭輸出の動向と上海石炭市場
杉山伸也著
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sehs/43/6/43_KJ00002434370/_pdf/-char/ja

当時は船が物流の主力で動かすための燃料は石炭でした。
という背景があり石炭は重要な資源でした。
さらに、輸出先の上海では日本の石炭のシェアはバカにならない割合だったようです。


ここから後半部になります。
---------------------------------------------------------------------------
不景気の原因

紙幣の減縮、政治費用の増加、このため農民の購買力が減少した。
金価の高騰、貨物供給増加のために輸出品の価格が減少した。
農業者、商業者、工業者の(経済力)が弱る理由である。


封建時代に米が貨幣のかわりの役割を成していた時の効用はどれほど大きかったであろうか。
我が国では雇人の報酬を米で支払い、借金の返済にも米を使い、その他効用が大きかった。
このような状態であったから、貨幣が少なくても用事は足りていた。
今から報酬を全部貨幣で支払うとなった場合、貨幣が大体2億ぐらいとなるのではないか?
私の見立てでは1億2~3千は不足していると思う。米による給料支払いと金による給料支払いで、
後者と取るならば、給料を受け取る人はこの後、財布が空になる心配をするようになる。
これを放置してそのままにしておくと極貧となる原因になる。
外国にこのような疲弊の例はあるのか?

封建時代の納税は決して軽いものではなかった。
しかし、不作やその他予期せぬトラブルの為に庶民の生活に不安が出れば、減税・免税の実施や、
手当を施すこともあった。翌年の収穫があるまで養うこともあった。
これが税が重くとも農民が耐えられた理由である。
今、これに反する減税が必要となる次第だ。
地券証となってから農民の浮沈はひどいものだ。
------------------------------------------------------------------------------
後半部以上

地券について
※国税庁
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/network/152.htm
抜粋「、明治政府が明治6年以降行った税制改革であり、農業生産者に米などを物納させる年貢(旧地租)に替えて、土地の所有者に税金(新地租)を課すものであった。」

所謂「地租改正」というものの影響の話かと思います。
奈良時代とか律令政治がとか言われていた時代、もしかしたらもっと古い時代から、農業者はお米を税として納めていました。
それが、明治の世になって貨幣で納めるように変えられたというものです。

これによる庶民の混乱や疲弊について、三島億二郎は述べられているのだと思います。
私も三島億二郎と同様、当時の欧米の庶民がどんな暮らしをしていたのか気になりました。

私の三島億二郎日記の研究テーマの一つとして、
「明治維新 やったは良いが 庶民の暮らし よくなった?」
という疑問があります。

この辺りもデータや文献などから裏付けが取れたら面白いかなと思います。
引き続きコツコツ進めて参ります。
  

2021年04月02日 Posted by きたゆき at 18:52Comments(0)長岡市データで分析 新潟県

新潟県の農業事情を調べてみた その4


※またまたすみません。第二回の記事で掲載すべきグラフの位置が間違っていました。
訂正致します。
(一回目の訂正の時にグラフの順番がずれたようです。お恥ずかしい)

きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた その2
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491487.html


さて、本題です。

前回の記事では、お米の生産量や価格が色々あって上昇し、
農家さんの所得も増加したのではないか?というお話をしました。

きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた その3
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491511.html


今回は昭和50年頃~平成5年頃までを見ていきたいと思います。

グラフは以下のデータを参考にしています。
★農林水産省
・新潟県の生産農業所得
・新潟県の米の収穫量
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500206&tstat=000001015617&cycle=0&year=20180&month=0&tclass1=000001034290&tclass2=000001052259

★総務省
・全国の米類の消費者物価指数
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200573&tstat=000001084976&cycle=0&tclass1=000001085995&tclass2=000001085936&tclass3=000001085996&tclass4=000001085997&tclass5val=0




グラフはこのような感じです。





順番に見ていきます。




まず、オレンジ色の矢印で示した生産農業所得と収穫量の凹凸部分ですが、
これは両者連動しているように見られます。

ですので、矢印で示した部分の農業所得の凹凸は、
米の生産量の増減による影響が大きいと推定します。

今度はちょっと広い目で見てみます。




なんとなくですが、
・収穫量は減少傾向気味
・消費者物価指数は上昇傾向気味
・農業生産所得は上下はあるものの横ばい気味

のように見えます。
大雑把な見方をすれば、収穫量は減少しているが、お米の値段は上がっているので、
それらが相殺されて、農業所得が横ばいとなっている・・・
という風にも見られるのではないでしょうか。

さて、そうしましたら前回と同様、この期間になにが起きたのか、
箇条書きにて記載致します。

参考文献
日本の農業とJA 第9版 
その他はリンクを記載

昭和50年 農地法改正 
「農業経営の細分化を防止するために、相続税の納税猶予制度を創設」
貸し出し手からみてより貸しやすくするためのあらたな手法の導入
参考リンク
https://www.maff.go.jp/j/study/nouti_seisaku/01/pdf/data3-1.pdf


昭和55年 記録的な冷害
昭和56年 食管法 改正 (米の配給割り当ておよび購入権廃止)

第94回国会 衆議院本会議 第21号 昭和56年4月23日
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=109405254X02119810423&spkNum=26#s26
・米は供給過剰状態が続いている
・農家の生活水準については、農家の一人当たり家計費は、
 勤労者世帯のそれを上回っておりますが、
 これは、主として兼業所得の増加によるもの
・稲作等では農地価格の上昇などから経営規模の拡大が停滞的に推移してきた
・五十五年には記録的な冷害により米を中心に大きい被害が発生
・農業共済金の早期支払い、農外所得の増加等により農家総所得はなお増加

※ちょこちょこ気になるキーワードが出てきていますね。
これは後で深堀してみたいと思います。

昭和62年 生産者米価引き下げ
※これについてはグラフ以前掲載したグラフを再掲します。
★農林水産省 米穀 政府買入価格(国の告示価格)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500310&tstat=000001034839&cycle=7&year=20080&month=0&tclass1=000001034840&tclass2=000001037382
★総務省   消費者物価指数(米)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200573&tstat=000001084976&cycle=0&tclass1=000001085995&tclass2=000001085936&tclass3=000001085996&tclass4=000001085997&tclass5val=0




昭和62年頃に政府流通米告示価格が低下しておりますが、
恐らくこの部分のことを言っているのだと思われます。


★食糧庁(もうない庁です) 自主流通米は昭和45年からデータ確認ができます。
全国生産量と自主流通米等買入数量の推移
http://agrin.jp/hp/kome/library/16pdf/26.pdf




このグラフも再掲ですが、改めてみると昭和62年頃から政府米の買取量が大きく減少しています。
昭和62年以降は政府米よりも自主流通米の方が流通量も市場価格も支配的になって行ったとみて良いように思います。

色々ありすぎてややお腹と頭がいっぱいです。
後で総括のような記事が必要かもしれません。


次の記事
きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた その5
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491646.html  

2021年03月23日 Posted by きたゆき at 19:44Comments(0)データで分析 新潟県

新潟県知事の出身地を明治時代から並べたら?

三島億二郎日記を調べている中で、ウィキペディアから興味深い(と個人的には思った)部分がありましたので、 記事にして紹介します。
歴代の新潟県知事がどこの出身だったか? というものです。
三島億二郎日記を読んでいると、ちょこちょこ新潟県知事に〇〇のお願いに行ったという記述が見られます。
ですので、新潟県知事のデータは三島億二郎日記の書かれた時期の背景を知る上で後々参考になるかもと思い、取っておくことにしました。
では、リストとグラフを示します。
恐れ入りますが県知事の皆様の敬称は略させていただきます。

注意
1.在任期間のカウントについては厳密には日数でカウントすべきです。
しかし、全部やるのは手間なのと、概要がなんとなく分かれば良いという判断から、 下記のようにカウントしている部分があります。


千頭 清臣 1900年1月19日~1900年9月8日=1年とみなす

ですので、本グラフは厳密ではありません。

2.肥前国と佐賀県 長門国と山口県は同郷としてカウントします。





参考データ
新潟県知事一覧 - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9C%8C%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E4%B8%80%E8%A6%A7

明治~戦後までは県知事は官選制だったのでそもそも今のように一般庶民が選挙で知事を選ぶというようなことはありませんでした。 明治政府が任命していたようです。 明治初期は所謂、薩長土肥の皆様が来ていたのが一目瞭然でした。
(ここまであからさまとは…)
廃藩置県から戦後までの約半分の期間が薩長土肥です。

他の県もこのような感じだったのか、比較してみるのも面白いかもしれません。

戦後はほぼほぼ新潟出身の方々でした。  

2021年03月16日 Posted by きたゆき at 19:10Comments(2)データで分析 新潟県

新潟県の農業事情を調べてみた その3



前回の記事に修正が入りました。すみませんでした。

きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた その2
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491487.html

今回は前回に引き続き、 昭和46年付近の所得の急上昇の要因について考えていきたいと思います。

前回の分析から、この急上昇はお米の価格の上昇による要因が強そうだという雰囲気が、読み取れました。
では、なぜお米の価格が上昇したのか?
分析していきたいと思います。
当方の至った結論から申し上げますと、この時代はとにかくあらゆる物の物価が上昇した時期であり、お米の物価も例外ではなかった。
ということが推定されました。
この分析を行うために、消費者物価指数なるものを使用しました。
よく聞く言葉ですが、私なりの理解で大雑把に言うと、

「物」の「価値」をお金と異なる物差し(指数)で示したもの

です。

参考として先日紹介しました、
政府米の価格とお米の消費者物価指数を並べてみます。
★農林水産省 米穀 政府買入価格(国の告示価格)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500310&tstat=000001034839&cycle=7&year=20080&month=0&tclass1=000001034840&tclass2=000001037382
★総務省   消費者物価指数(米)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200573&tstat=000001084976&cycle=0&tclass1=000001085995&tclass2=000001085936&tclass3=000001085996&tclass4=000001085997&tclass5val=0






上昇傾向として若干(1年?)タイミングのずれがあるものの、比較的似たような傾向が見られます。
消費者物価指数の項目を全て合わせたグラフ、 (衣食住と遊に必要な我々が日常購入しているもの全て) も記載してみます。






上昇幅は異なりますが、傾向としては一緒とみて良いと思います。
(先ほどの"お米"の消費者物価指数と右側の軸の幅を少し変更しています)

さて、物価の上昇や米作りに影響があるかな?となんとなく感じた内容で、この時期に起きたことを下記のように箇条書きします。

参考文献

★新潟県 新潟コシヒカリの軌跡 ~誕生から定着に至るまで~
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/nosanengei/1341867635261.html
★日本農業とJA 9版 (全国農業協同組合中央会)
★米に関する資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/bunka/dai3/siryou1_1.pdf
★農地政策をめぐる事情 (平成19年1月 農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/study/nouti_seisaku/01/pdf/data3-1.pdf
★物価統制令 (ウィキペディア)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E4%BE%A1%E7%B5%B1%E5%88%B6%E4%BB%A4#:~:text=%E7%89%A9%E4%BE%A1%E7%B5%B1%E5%88%B6%E4%BB%A4%EF%BC%88%E3%81%B6%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%81%A8%E3%81%86,%E9%83%A8%E3%82%92%E9%99%A4%E3%81%8D%E5%8D%B3%E6%97%A5%E6%96%BD%E8%A1%8C%E3%80%82
★食糧管理制度(ウィキペディア)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%B3%A7%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%88%B6%E5%BA%A6#:~:text=%E9%A3%9F%E7%B3%A7%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%88%B6%E5%BA%A6%EF%BC%88%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%82%87%E3%81%86,%E3%81%AB%E5%9F%BA%E3%81%A5%E3%81%8D%E5%89%B5%E8%A8%AD%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82

昭和44年
・自主流通米制度開始   
-良質なお米は政府を介さず卸業者などが直接販売可能となる
-上記に関連しお米が高値で取引されるようになる
・機械田植えとコンバインが普及

昭和45年
・米の生産調整

昭和40年代前半の大豊作などでお米の過剰在庫が発生したため
・第二次農地法改正
※資料を読んだ当方理解
高度成長期→離農者が出る→離農者の農地を専業農家に集約したい(少ない人数で生産量を上げたい)→法律上それがやりにくかったので法律を改正した

昭和46年 米の買い入れ制限
・※当方推定 上記の過剰在庫に関連するものと思われる

昭和47年
・消費者米価の「物価統制令」適用除外
元々は戦時中に作られた「価格統制令」に端を発するもので、急激な物価上昇を防ぐために、政府が価格を統制していたもの。この年までお米は適用されていた。
・標準価格米制度実施
消費者米価が自由化
・田中角栄 日本列島改造論発表
地価の上昇

昭和48年
古米の在庫処分が済んだことで、米の需給は一旦均衡するものの、 世界食糧危機の煽りを受け、日本国民の食糧安全保障に対する意識 が高まり、再び生産者米価が引き上げられた。 古米在庫や食管会計赤字は増加。

ここまで一度にドカッとこられると、 各々どの項目がどの程度影響したのかは手持ちのデータからは分析しきれません。 ・・・という激動の時代だったのだなということは分かりました。 ちょっと現在に影響が出始めてそうだな・・・という内容もちらほら見られます。 多分、今後再び出てくるのではないでしょうか?

今日はここまでにします。


次の記事
きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた その4
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2021年03月11日 Posted by きたゆき at 20:31Comments(0)データで分析 新潟県

新潟県の農業事情を調べてみた その2

よろしければ前回の記事もご覧ください。
きたゆきの新潟県放浪記 since 2008:新潟県の農業事情を調べてみた
http://yukiyakonkon0809.niiblo.jp/e491443.html

前回に引き続きまして、新潟県の農業事情を調べてみました。
前回分かったこととしては、
・新潟県の農業の主力はお米であり、お米の産出額と生産農業所得には相関がある
・平成6年以降の生産農業所得が急激に減少し、当時と比較すると現在は半減している
・米の生産額・生産農業所得はお米の収穫量と価格の複合的な結果である
といった内容でした。

平成6年以降の生産農業所得減少時に何が起きたのか? を調べると前回の記事で申し上げました。
が、今回はその前に昭和46年頃の急激な生産農業所得UPの部分に 焦点を当てたいと思います。
(上記の減少を調べたところ、ガット・ウルグアイラウンドなるものにぶつかりました。ちょっとこれを理解するのに手間取っています)





農林水産省のHPを探していたところ、 昭和中期~のお米の収量(予測値)と政府の買取告示価格のデータを見つけましたので、
それを元に分析していきたいと思います。
まず、お米の収量については、下記のデータを参考にすることにします。
★作物統計・収穫量累年統計・水稲・新潟 (平年収量)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500215&tstat=000001013427&cycle=0&tclass1=000001032288&tclass2=000001034728

★平年収量とは?
https://www.maff.go.jp/j/press/tokei/seiryu/200317.html
水稲平年収量 水稲の栽培を開始する以前に、その年の気象の推移、低温・日照不足等の気象被害の発生状況等を平年並みとみなし、実収量のすう勢を基に作成されたその年に予想される10a当たり収量をいい、作柄の良否を表す作況指数の基準となっています。
注意
1.下記グラフの平年収量は10a当たりではなくリンク先データ中の新潟県全体の収量データを使用しています。
2.記載にある通り、平年収量とは"予想"なので、実際の収量とは数字がずれます。  (予想より少なければ不作)

少し本題から逸れますが、これと前回の
★平成の米 新潟県:北陸農政局
https://www.maff.go.jp/hokuriku/stat/data/heiseinokome.html
に記載があった新潟県の収量データを重ねてグラフ化してみます。





両者ほぼほぼ同様の傾向が見られます。
実際の収量が平年収量より高かったり低かったりしますが、 豊作、不作等で予想通りとならなかったためとみられます。
(・・というか、お天道様の采配はあるにしてもある程度はコントロールできるんですね。)
さて、平年収量でおおよその各年のお米の収量の増減の傾向はつかめることが分かりました。
本題に戻ります。
この平年収量と新潟県の生産農業所得のグラフを重ねてみます。
前回と同様
★生産農業所得統計 都道府県別生産農業所得統計累年統計(の内新潟県)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500206&tstat=000001015617&cycle=0&year=20180&month=0&tclass1=000001034290&tclass2=000001052259
のデータを使用します。





昭和46年頃の平年収量を見ると、特段そこから収量が増える様子は見られません。

※2021年3月11日
すみません。訂正します。上記の昭和46年頃の部分を拡大したグラフを示します。また、上記の「★作物統計・収穫量累年統計・水稲・新潟」で参考にしたエクセルデータ内に収穫量も記載があったので(見落としてました)それもグラフに載せます。




昭和46年を基準にお米の収量を見ると
・昭和46から収量が増加、但し昭和43年には及ばず

昭和46年を基準に生産農業所得を見ると
・昭和46から所得が増加、昭和43年を上回る

ということがわかります。修正として、昭和46年以降、お米の収量は上昇したため所得の上昇に収量の影響はあると思われる。が、昭和43年の数値と見比べると、所得が急増したのは収量が増えたからだけではない。
ということになると思います。
~訂正以上~


次にお米の価格をグラフにしてみます。
こちらのデータも昭和中期~のデータで参考になりそうなものがあったので、 そのデータを使用します。
★米穀 政府買入価格(国の告示価格)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500310&tstat=000001034839&cycle=7&year=20080&month=0&tclass1=000001034840&tclass2=000001037382

先ほどと同様、生産農業所得のグラフと重ねてみます。






グラフから分かるように昭和46年頃から政府流通米の国の告示価格が上昇している様子が見られます。
このことから、昭和46年頃の生産農業所得の上昇は米の価格の上昇によるものも一因であると推定されます。
以上まとめると、昭和46年頃の生産農業所得の上昇はお米の価格の上昇による影響が強め、ということになるかと思います。

補足
政府米と自主流通米について

大雑把には
・政府米=政府が買い取るお米(備蓄などに回される)
・自主流通米=政府が買い取らず市場に流通するお米
になります。

昭和44年に自主流通米制度ができてから、お米の価格は厳密には政府の買取価格と自主流通米の価格は異なるものになると思われます。
自主流通米の価格データで参考にできそうなものが見つからなかったので、
本ブログ記事では政府米の価格を参考にしました。

ご参考として、自主流通米と政府米の流通量による影響を確認するため、
その年に収穫されたお米がどの程度、政府米や自主流通米になったのか、
下記データをグラフにしました。
※線が途切れているデータはその間のデータが無かったためです。

★食糧庁(もうない庁です) 自主流通米は昭和45年からデータ確認ができます。
全国生産量と自主流通米等買入数量の推移
http://agrin.jp/hp/kome/library/16pdf/26.pdf






農家さんの所得が急上昇している昭和46年付近ですが 自主流通米の増加は見られるものの政府米の方がまだ量が多く、政府米の量の顕著な減少も見られません。 このことから、自主流通米の価格は不明ですが、少なくとも政府米の価格上昇が農業所得の上昇の一因であったとは言えると思います。


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2021年03月06日 Posted by きたゆき at 21:17Comments(0)データで分析 新潟県

新潟県の農業事情を調べてみた

データで分析新潟県の2回目の記事です。
新潟県の農業事情について調べてみました。
動機としては、以前知り合いのお爺様から、「昔は米の出荷が終わったら、お金を持ってみんなで町に繰り出してどんちゃん騒ぎをして・・・」 という景気の良い話を聞いたことがあり、今とは大分様相が違うなと感じたこと。
様相の違いは多分農家さんの所得が原因と考え、新潟県の農業に携わる人々の収入がどのように推移していったかを可視化(グラフ化)してみたいなと思ったところになります。

※本調査で当方が得た結論を知り合いの農業関係者に話した所、「あーそうそう。知ってる知ってる」というような反応でした。
ですので、農業関係者であれば常識的な内容なのかなと思いました。
私は農業は食べる専門なので、詳細については今回初めて知るところとなりました。
※似たようなデータは新潟県や国の省庁のホームページのどこかにあるかもしれません。
ソースは下記の農林水産省のデータを参照しています。
生産農業所得統計 都道府県別生産農業所得統計累年統計(の内新潟県)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500206&tstat=000001015617&cycle=0&year=20180&month=0&tclass1=000001034290&tclass2=000001052259
このデータをグラフ化しました。
まず、グラフ一つ目です。
新潟県の農業算出額(昭和35年:1960~平成30年:2018)を生産物品別に示します。



はい。新潟県の主力農産物は説明するまでもなく「米」であることが分かります。
基本的にすべての年で、他の農産物と比較しても「米」が圧倒的な産出額を保っています。
ですので、大まかに新潟県の農業生産品による産出額を見るには、「米」に注視していけば当たらずとも遠からずな結果になると本記事では判断致します。


以上の判断の元、農家さんの所得(米に限らず全て)についてどのようになるか、 米の産出額と相対比較してみました。
※繰り返しになりますが、新潟の農業の主力は米なので、このような比較でもある程度の傾向はつかめるはず・・・



※生産農業所得統計の概要:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/nougyou_sansyutu/gaiyou/ 

※農業算出額は、米の場合は最終的に生産された米の総産出額のこと
※生産農業所得 は、農業算出額から経費等を差し引き経常補助金等を加算したもの

両者を比較すると、基本的には連動した動きをしていることが分かります。
新潟県は良くも悪くも、主力製品である米の生産額による所得への影響が大きい事がここからも推定できます。
気になるポイントとしては、
・昭和50年頃から生産農業所得と米の農業産出額が離れる傾向が見られる
・両者とも平成6年頃をピークに減少傾向が見られる
・所得額でみると平成6年(1994年)のピーク2,016[億円]に対して平成30年(2018年)951[億円]で半分となっている

になります。
農家さん一件の所得額の相場はちょっと分かりかねますが、 自分の身で考えてみても、所得が半減するというのはかなりショックが大きいと感じます。

続きまして、なぜ所得額が半減したか?を分析します。
単純な考えで、所得を増やすには・・・
①沢山作って売る
②高く売る
この二つに関連する部分を見てみれば分かるかなと考えました。
つまり、新潟県の米の収穫量と価格の推移をみれば推定できるはずです。
ここで、 収穫量と価格の推移については、

平成の米 新潟県:北陸農政局
https://www.maff.go.jp/hokuriku/stat/data/heiseikome/niigata.html

を参考にしています。
まず、収穫量と生産農業所得を比較してみました。
※データで昭和中期頃のものが無かったので、途中からのグラフになります。



一つ前のグラフで平成6年(1994年)と平成30年(2018年)で比較をしましたが、同様に収穫量を見ると、

水稲の収穫量 
・平成6年(1994年) 783,900[ton]
・平成30年(2018年) 627,600[ton]
となり、ピークの頃からはやや減少傾向が見られます。
(627,600/783,900→約80%に減)
但し平成8年頃からはほぼ横ばいです。

続いて、米の価格と生産農業所得を比較してみました。 米の価格は”新潟 コシヒカリ一般”で見ています。



※指標価格・米の相対取引価格についての詳細説明は、 上記のリンク先の資料64P 66Pに記載があります。
大雑把にはどちらもお米の値段です。

一つ前のグラフで平成6年(1994年)と平成30年(2018年)で比較をしましたが、同様に価格を見ると、
・平成6年(1994年) 24,534[円/60㎏]
・平成30年(2018年) 17,042[円/玄米60㎏]
となり、ピークの頃からは減少しています。
(17,042/24,534→約70%に減)
収穫量と異なり、米の価格は平成8年を過ぎても全体としては減少傾向が見られます。
平成26年から数年は若干の価格上昇が見られます。
以上から、生産者所得が最も高かった平成6年を基準に見ると、
・平成6年~平成8年までは収穫量価格が共に減少。
・平成8年以降収穫量は凹凸があるもののほぼ横ばい
・平成8年以降価格は凹凸があるものの平成26年までは減少

となります。
平成6年以降の収穫量と価格の減少で生産農業所得は大きく減少していると推定されます。
また、平成8年以降は米の価格の減少が支配的要因となり、生産者所得が減少しているのではないかと推定されます。
次の段階としては、この両者が減少するにあたって当時いったい何が起きたのか? を調べる必要があります。
・・・が、現時点ではここまでしかまとめられていません。
調査が終わりましたらまたグラフにしてアップしたいと思います。
ちなみに私の食事事情ですが、基本1日三食は米を食べています。
仕事場には弁当持参です。 ラーメンは健康のため週に1回に制限しています。(制限をしないと際限なく食べてしまうので) といような感じで微力ではありますが、米の消費に貢献しているはず・・・です。  

2021年02月25日 Posted by きたゆき at 21:42Comments(0)データで分析 新潟県

インバウンドは新潟県に必要か?

インバウンドで外国人を沢山呼んで、観光業界を活性化させるぞ~!!
という威勢の良い掛け声に疑問を感じ、ちょっと調べて見ました。

以下、素人なりに私が調べた結果を主観でもって好き勝手に書きます。ご参考になれば幸いですが、私の記事のせいで損したから責任取れ!というのは受け付けませんので悪しからず。
それから、言いっぱなしで解決案を言わないのもどうかと思いまして、文末にアイディアも書きました。長文になります。読むのが面倒くさい方は、グラフだけでも見ていって頂けると幸いです。


それでは参ります。
データ元は観光庁が出している観光白書になります。
国土交通省HP観光白書 ホーム>白書・オープンデータ>白書>観光白書
https://www.mlit.go.jp/statistics/file000008.html

まず、平成25年~令和2年版までの観光白書に記載された、「都道府県別の述べ宿泊者数・外国人述べ宿泊者数・宿泊施設の定員稼働率、客室稼働率」の数字の内、「述べ宿泊者数」「外国人述べ宿泊者数」をグラフにしました。
上記の「述べ宿泊者数」には外国人が含まれているとのことでしたので、
「述べ宿泊者数」-「外国人述べ宿泊者数」=「日本人宿泊者数」と計算しています。
以下、全国版、新潟県版と同様の計算です。

まず、全国ではどうか?




おおよそ日本人が85%前後、外国人が15%前後で推移しています。
令和元年の増加分は、観光白書によれば、ラグビーワールドカップ等の影響が推定されるとのことでした。

続いて我が新潟県はどうでしょうか?




外国人の割合は5%以下で推移しています。
大部分が日本人です。
これだと、インバウンドとは縁遠いと言っても良いかもです。

もう少し詳しく見てみましょう。
観光白書の中に記載がある「県内・県外(除く外国人)・外国人述べ宿泊者構成比」の割合の数字から、各年の新潟県に宿泊した人がどこから来たのか算出しました。





大体70%程度が県外からのお客様。残り30%弱が県内のお客様でした。結構県外から沢山いらっしゃっているようで、有難いことです。
1新潟県民としてお礼申し上げます。
新潟県内の方も毎年300万人近くの方が県内で宿泊されています。
新潟県民が約220万人ですので、あくまでも計算上ですが、毎年一人一回は新潟県内の何処かにお泊まりしている事になります。
私はこの結果に新潟県の皆様は胸を張って良いと思います。地元の今ある魅力に自信を持ちましょう!


少し話題を変えて、全国の都道府県の宿泊客の内訳はどうでしょうか?
観光白書令和2年版を抜粋します。




左から順番に外国人宿泊客が多い都道府県になります。
四捨五入して宿泊客の内、外国人が40%を占める都道府県は多い順に、京都府、大阪府、東京都です。京都府は言うまでもなしですね。大阪府と東京都は観光はもちろん旅の起点ですから納得でしょうか?
外国人客20%台は多い順に、北海道、沖縄県、岐阜県、山梨県、福岡県、奈良県でした。北海道、沖縄県は豊かな自然が魅力でしょうか?岐阜県は飛騨高山、合掌造りかな?山梨県は富士山か?福岡県も国際空港のある大きな町です。奈良は文化財が沢山あります。
残りの38県は外国人の内訳は20%以下でした。
グラフから明らかなように、外国人が宿泊する都道府県には偏りがあることが分かります。
テレビなんかで、「インバウンドやらないと観光業は先がない」といった趣旨の報道を見ますが、インバウンドの恩恵を受けているのはほんの一握りじゃないでしょうか?
大部分を支えているのは日本人であるということが、グラフから推定されます。


参考までに外国人観光客を呼び込むためにどんなことが必要か?という内容が観光白書に記載されていたので一部ご紹介します。

観光白書令和二年度版
本文(第Ⅳ部 令和2年度に講じようとする施策)
第1節 外国人が真の意味で楽しめる仕様に変えるための環境整備
より

・海外発行カード対応ATM設置の取組
面的キャッシュレス・インフラの構築支援及び地方公共団体・公共施設のキャッシュレス化
・主要な観光・防災拠点における無料Wi-Fi環境の整備
・観光地の「まちあるき」満足度の飛躍的向上
(訪日外国人旅行者の来訪が特に多い観光地等において、多言語表示の充実・改善(英語、中国語及び韓国語等)や~小売・飲食店等も含めたキャッシュレス決済~)
・ムスリム対応の更なる強化
食や礼拝等における受入環境の整備・改善を通じて促進するとともに、飲食店等における、店内表示及びメニューの多言語化~
・訪日ベジタリアン・ヴィーガンの受入環境整備
・外国人運転者にも分かりやすい道路標識の整備、英語併記等

パッと見、ものすごく面倒臭そうだと思ってしまった私は怠け者でしょうか?
あくまでも新潟県に限ったお話をすれば、言語や文化が全く異なる外国人向けに町を作り替える事に労力を割くよりは、気心が知れた新潟県内の皆様に対し県内の需要喚起に、挑戦したりする方が気が楽ではないかと思ったのでした。

ちょっと政府のゴリ押し感が伝わるような観光白書の内容ですが…
私は旅館の従業員ではないので旅館の現場がどのようであるかは分かりません。
インバウンドが不要ならば不要であると意思表示をしないと押し切られて面倒事が増えるだけではないかと心配しています。
また、観光白書にある「外国人向けに町を作り替える」というのが、ちょっと現実離れしているように思います。
数字を見る限り新潟県の観光客のお得意様は日本人であることは間違いないので、無理に町を作り替えるよりは、今のままお得意様を大事にして頂けたらなと思います。


まとめ
・宿泊客の内、外国人宿泊客が占める割合は日本全体で、15%前後である。
・新潟県は95%程度が日本人の宿泊客である。
・新潟県は70%程度が県外からの宿泊客である。
・新潟県は30%程度が県内からの宿泊客である。
・外国人観光客が宿泊する都道府県にら偏りがある。

以上です。

あ、新潟県の観光業を盛り上げるアイディアでしたね。
私のアイディアは、上記にも少し書きましたが、
「県内の皆様、一年に二回、新潟県の何処かにお泊まりしませんか?お安くしますよ」キャンペーンを実施する。です。
県が主導して県民の皆様にクーポンを配るとか、それを使って忘年会、新年会、暑気払い、地域の総会を県内の旅館でゆっくりやるとか。

毎年、新潟県内の皆様が計算上は最低一回は県内宿泊をしています。これを二回に増やすような政策をして、県内の宿泊客が1.5~2倍になったらと考えると少し興味深くありませんか?  

2020年12月17日 Posted by きたゆき at 22:01Comments(0)データで分析 新潟県